| 1.味覚センサーって何? |
| 味覚センサー(味認識装置TS-5000Z)は人間の舌を模倣したセンサーを利用して味を計ることができる機械です.
食品メーカーにおいては,パネルが食品の味を 実際に舌で吟味しており,パネルの個人差や体調・気分が官能データの客観性・再現性に影響する,官能試験自体が大変な作業で疲労度が大きい,またパネルの 育成が難しい等の問題が指摘されています。食品の新製品開発や製造ラインでの品質管理において,人の感じる味を検出して,パネルをサポートする味認識装置 (以降,味覚センサーと呼ぶ)の開発が望まれていました。 光,音等のセンサーが高度に発達しているのに対 して,味覚センサーの開発が遅れている原因は何でしょう。まずは,光,音等は対象が単一の物理量であり,単一の物理量をセンシングすることは簡単です。むし ろセンシング結果をどう処理して,そこからどのような特徴や意味を捉えるか,例えば文字認識や音声認識等が問題となっています。これに対して味覚センサーで は計測する味物質の種類は膨大であり,しかもこれらの味物質間で相乗・抑制効果の相互作用があります。例えば,コーヒーに砂糖を入れるとコーヒーの苦味が 消えたり(抑制効果),鰹だしと昆布だしを一緒に使うことで,各々単独の場合よりも数100〜1000倍も旨味の効果が得られます(相乗効果)。そのため には食品中の味物質の量を正確に分析できたとしても,人の感覚量を推定するには,個々の味物質の味のデータや個々の味物質間の相互作用の膨大なデータが必 要です。このような理由から,化学分析による味の検出方法は非常に難しいと考えられています。また化学分析に時間がかかると言う問題もあります。 九州大学の都甲研究室ではこれらの問題に対して生体の味認識をモデ ル化して,味の識別を行う試みを20年以上前から行ってきました。実用化を目指して約10年前より弊社と共同研究を行い,味覚センサーの開発に至りました。 |
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